2013/09/26

リフター魂52 郷土の誇りを胸に

人は、いくつ故郷を持っているのだろうか。

管理人の場合は…
幼き日に、たくさんの思い出をくれた京都。
それが故郷である。
第二の故郷は、多くの人と出会い、思いを重ねた地、奈良である。

そしてもう一つ、心の故郷がある。
これまで幾度も、疲れた心と体を癒してくれた場所。
青い空、青い海を持つ島、沖縄である。

今から68年前の太平洋戦争末期、激しい地上戦の舞台となった南の島。
かつて沖縄出身の老婦人が、管理人にこのように語られた。
「貧乏は怖くない。でも、戦争は怖い」と。

暗く悲しい過去を持ち、今も傷ついている島。
それなのに… いや、それだから… と、言うべきだろうか。
この島は、訪れる人々をいつも温かく迎え、明日への希望を与えてくれる。

4年前、管理人にとって、この島はより身近な場所となった。
まほろば総体で、屋良先生や沖縄の選手たちと出会ったことで、この島はさらに管理人に近づいた。

沖縄の風土に育まれたリフターたちは、強く、優しかった。
自分自身を限界まで追い込んでいる彼らの姿を目の当たりにすることがなかったなら、ウエイトファンとしての今の管理人は存在していなかったかもしれない。

来月、選ばれしリフターたちが、郷土の誇りを胸に、東京国体のプラットホームに立つ。

都道府県の枠を越えて、応援したい選手は数多くいる。
もちろん、故郷である京都、奈良の健闘を心から祈る。
それでもやはり管理人は、今大会、チーム沖縄の連覇を願わずにはおれない。

それは…
疲れた心に微笑みかけてくれた、青い海の優しさへの恩返しである。


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2012年 岐阜国体で、4年ぶりに総合優勝を果たした「チーム沖縄」
(セラトピア土岐にて)
「リフター魂41 チーム沖縄」
昨年の代表選手7名の内、6名は同じメンバーで、今年連覇に挑む。
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2013/09/09

リフター魂51 「TOKYO 2020」

「TOKYO」
ジャック・ロゲIOC会長の言葉が、早朝の日本列島を駆け巡った。
2020年東京オリンピック・パラリンピック開催決定の瞬間である。

管理人の脳裏に、2年前の日韓中フレンドリーシップトーナメントで、中国の選手が230キロを差したときの光景が浮かび上がった。
ディスクの重みによってシャフトがしなり、それによって描かれたアーチの美しさに息を呑んだ、あの日の記憶が蘇った。
(「リフター魂24 ザ・重量挙げ」)

7年後の東京で、あのアーチと再会できる。
そう思うと、胸が躍った。

姪の友人に、パワーリフティングの選手がいる。
高校記録とジュニア記録を持ち、海外でも活躍している彼。
遠征の合間に、時折ウエイトの観戦にやってくる。

パワーリフティングは、パラリンピックの正式種目になっているが、オリンピックの種目には入っていない。
彼との会話の中でその話に及ぶと、「ドーピングの問題もあるから…」と、彼の表情が曇った。
そして、彼はこう続けた。
「ウエイトの場合は、技術も必要だから」

パワーリフティング界で名を馳せる彼の口からその言葉を聞いたとき、管理人はウエイトファンとして非常に嬉しく、誇らしく思ったものである。

人は、力だけであんなことはできない。
レオニド・タラネンコ選手の266キロのジャークの動画を見たときに、そう思った。

バーベル離床後、彼の動きに連動してシャフトが上下に弧を描き、それに伴い、両端の幾重にも重なったディスクが、激しく垂直に揺れる。
床に置かれた状態では無機質な鉄の塊でしかなかったバーベル。
それが彼の肉体と一体化したとき、まるで魂を持つ生き物のように躍動したのである。

人は、力だけで、絶対にこんなことはできない。

シャフトが描き出す曲線。
それは、リフターの汗と涙によって生み出された技術が織り成す芸術である。
リフターの思いがバーベルに伝わり、両者が一つとなったとき、そこに生きたアートが生まれる。

力強く、迅速で、美しく、時に繊細なスポーツ。
ウエイトリフティング。

2020年、夏。
「TOKYO」のプラットホームに、いくつものアーチがかかる。


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