2017/10/25

リフター魂92 愛媛国体②

成年94キロ級


94キロ級のエントリーリストに彼の名があった。
85キロ級日本記録保持者の山本俊樹選手である。

すでに世界選手権の代表に選抜されていた彼。
減量を回避してのエントリーだったのか。
もちろん、彼はこの階級でも十分優勝を狙える力を持っている。
実際、94キロ級ジャークの日本記録は、今年の8月に彼が叩き出したものである。

管理人は、この階級の日本記録が非常に気になっている。
スナッチはわずかに85キロ級のそれを上回っているものの、ジャークとトータルは下回っている。
この現象へのもやもや感を、彼が解消してくれることを期待しつつ観戦していた。

94キロ級トータルの日本記録を有しているのは、今も現役で国体の表彰台をキープし続けている平岡勇輝選手である。
彼から「日本記録保持者」の肩書きを取り上げることは忍びないが、全てこの世は諸行無常。
記録は新陳代謝を繰り返しながら更新されていくべきである。

誤解がないように言っておくが、新陳代謝されるべきは記録であって、選手そのものではない。
「後進に道を譲る」という言葉があるが、スポーツの世界でそれは当てはまらない。
強い者が勝つ。
譲られなくとも、超えて行けば良いだけである。

管理人はサッカー(ナショナルチーム)ファンだが、全盛期の頃のキングカズ(三浦知良選手)があまり好きではなかった。
けれども今、精神と肉体を鼓舞しつつ、なおもユニフォームを着続ける彼を少し好きなってきている。

平岡選手のように長きに渡り活躍している選手の試技を観られることが、管理人の国体が好きな理由の一つでもある。

今大会では、平岡選手の日本記録は消えなかった。
団体戦において、優先すべきはより多く得点することである。
連覇がかかったチームのポイントゲッターの一人である山本選手は、きっちりとその仕事を果たし、兵庫を連覇へと導いた。

期待していたジャークとトータルの日本記録更新はなかったが、スナッチでそれが実現した。
日本新記録を樹立したのは、木下竜之選手である。
体重85.58キロ。
エントリーメンバーの中で最も体重の軽い彼が、最も重いバーベルを挙げた。

山本選手とは同郷で、高校時代から切磋琢磨してきた間柄。
学生時代、兵庫のために戦かってきた彼は、福井に拠点を移し、福井代表としてプラットホームに立った。

これまでスナッチの日本記録を持っていたのは、現在、福井県所属の吉岡祐司選手である。
その記録を破り、彼が日本新を打ち立てた瞬間、福井県の関係者が飛び上がって喜び、握手を交わしていた。
その光景を見たとき、彼は「チーム福井」の一員になったのだなと思った。

管理人は国体の記事を書くとき、「郷土愛」や「郷土の誇り」をいう言葉をしばしば用いてきた。
誰しも生まれ育ったふるさとがある。
そしてまた、第二のふるさとや第三のふるさとを持っている人もいるだろう。

人生の長い旅路の中で、一つのふるさととして来年の国体開催地である福井を選んだ彼。
一年後の福井しあわせ元気国体では、地元の大きな声援を受けながら、彼は福井のために戦うことだろう。


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試合後、取材を受ける木下選手
こっそり撮ろうと思っていたら、カメラ目線をくれたサービス精神旺盛な彼

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こちらは地元の大声援を浴びてジャークで2位に入った愛媛県代表の矢葺士選手


“愛媛国体シリーズ”は次回、成年105キロ級を取り上げる予定
(気が変わらなければ^^;)
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2017/10/14

リフター魂91 愛媛国体①

チームおきなわ ~王国再建へ~


過去16度の総合優勝を誇るウエイトリフティング王国沖縄が苦しんだ。

全日本選手権王者の宮本昌典選手が、大会直前に腰を痛め欠場。
比嘉貴大選手に召集がかかったのは、試合の5日前だった。
しかも一つ下の階級、77キロ級での出場である。
体重はダウンさせつつ、モチベーションをアップ。
調整不足は否めない。

総合で上位に入ることは、チーム沖縄に課せられたミッションである。
もちろん、目指すところは優勝である。
国体のプラットホームを想い出作りの場にすることは、王国のメンバーには許されない。

9位以下なら失格も同じ。
失敗しても… 失敗しても…
得点圏内の8位のラインを見据えて大幅に上げられていく重量。
容赦ない重量アップにひたむきに挑み続ける彼の姿に心が痛んだ。
かつて完全優勝を果たした経験もある彼の今回の結果は、スナッチ、ジャーク共に記録なし。

その後、今大会に調子を合わせてきた新垣悠太選手(85キロ級)が上位に入ったものの、学生リフターの屋良一郎選手(94キロ級)と知念光亮選手(105キロ超級)は、国内外連戦による疲れや怪我の影響で、本来の力を発揮することが叶わなかった。
成年の試合が終わって、まさかの14位。

続く少年3選手が確実に得点し、女子選手の健闘もあり、最終的にチームを総合4位にまで押し上げた。
辛うじて、王国の面目を保ったと言えるかどうか…
ビミョーなところである。

思えば、パスポートを携えて国体に参戦していた復帰前。
将来、16度の総合優勝を果たすことを、誰が想像しただろうか。
熱いハートを持って立ち上がった男たちのパッションが、ウエイトリフティング王国沖縄を誕生させた。

リフター魂5 ウエイトリフティング王国沖縄
リフター魂39 壺屋焼に思う ~琉球王国からウエイトリフティング王国へ~

管理人が初めて国体観戦をした2012年岐阜国体からチーム沖縄は4連覇。
昨年は準優勝である。

走り続けてきた沖縄には、少しの休養が必要だったのかもしれない。
しばし休んで疲れを癒したなら…
再び目覚め、ウエイト王国再建へ!!


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試合後、沖縄のテレビ局の取材に真摯に対応する比嘉選手
最後まで、よく頑張ったね\(^o^)/


管理人にとって、2年ぶりの国体観戦♪
“愛媛国体シリーズ”は、しばらく続くよ(^_-)-☆
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