成年94キロ級


94キロ級のエントリーリストに彼の名があった。
85キロ級日本記録保持者の山本俊樹選手である。

すでに世界選手権の代表に選抜されていた彼。
減量を回避してのエントリーだったのか。
もちろん、彼はこの階級でも十分優勝を狙える力を持っている。
実際、94キロ級ジャークの日本記録は、今年の8月に彼が叩き出したものである。

管理人は、この階級の日本記録が非常に気になっている。
スナッチはわずかに85キロ級のそれを上回っているものの、ジャークとトータルは下回っている。
この現象へのもやもや感を、彼が解消してくれることを期待しつつ観戦していた。

94キロ級トータルの日本記録を有しているのは、今も現役で国体の表彰台をキープし続けている平岡勇輝選手である。
彼から「日本記録保持者」の肩書きを取り上げることは忍びないが、全てこの世は諸行無常。
記録は新陳代謝を繰り返しながら更新されていくべきである。

誤解がないように言っておくが、新陳代謝されるべきは記録であって、選手そのものではない。
「後進に道を譲る」という言葉があるが、スポーツの世界でそれは当てはまらない。
強い者が勝つ。
譲られなくとも、超えて行けば良いだけである。

管理人はサッカー(ナショナルチーム)ファンだが、全盛期の頃のキングカズ(三浦知良選手)があまり好きではなかった。
けれども今、精神と肉体を鼓舞しつつ、なおもユニフォームを着続ける彼を少し好きなってきている。

平岡選手のように長きに渡り活躍している選手の試技を観られることが、管理人の国体が好きな理由の一つでもある。

今大会では、平岡選手の日本記録は消えなかった。
団体戦において、優先すべきはより多く得点することである。
連覇がかかったチームのポイントゲッターの一人である山本選手は、きっちりとその仕事を果たし、兵庫を連覇へと導いた。

期待していたジャークとトータルの日本記録更新はなかったが、スナッチでそれが実現した。
日本新記録を樹立したのは、木下竜之選手である。
体重85.58キロ。
エントリーメンバーの中で最も体重の軽い彼が、最も重いバーベルを挙げた。

山本選手とは同郷で、高校時代から切磋琢磨してきた間柄。
学生時代、兵庫のために戦かってきた彼は、福井に拠点を移し、福井代表としてプラットホームに立った。

これまでスナッチの日本記録を持っていたのは、現在、福井県所属の吉岡祐司選手である。
その記録を破り、彼が日本新を打ち立てた瞬間、福井県の関係者が飛び上がって喜び、握手を交わしていた。
その光景を見たとき、彼は「チーム福井」の一員になったのだなと思った。

管理人は国体の記事を書くとき、「郷土愛」や「郷土の誇り」をいう言葉をしばしば用いてきた。
誰しも生まれ育ったふるさとがある。
そしてまた、第二のふるさとや第三のふるさとを持っている人もいるだろう。

人生の長い旅路の中で、一つのふるさととして来年の国体開催地である福井を選んだ彼。
一年後の福井しあわせ元気国体では、地元の大きな声援を受けながら、彼は福井のために戦うことだろう。


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試合後、取材を受ける木下選手
こっそり撮ろうと思っていたら、カメラ目線をくれたサービス精神旺盛な彼

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こちらは地元の大声援を浴びてジャークで2位に入った愛媛県代表の矢葺士選手


“愛媛国体シリーズ”は次回、成年105キロ級を取り上げる予定
(気が変わらなければ^^;)

リフター魂93 愛媛国体③

リフター魂91 愛媛国体①

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