2018/12/31

ウエイト女子は愛しくて

城内史子さん

2012年、石川県で開催されたインターハイ。

試合会場に到着するや否や、管理人は浅田久美先生を探して走り回っていた。
「昨日はいたんだけど…」と屋良先生。

「城内!! 久美先生、知らない?」
近くいた城内さんに、屋良先生が聞いてくださった。
「久美先生… 昨日は見たんですけど…」
同じ言葉が返ってくる。
「ちょっと探して来まーす」と走り出した彼女。

その間に、管理人たちはご主人の浩伸氏に出会っていた。
久美先生の姿がないはず。
その頃、久美先生は機上の人。
嶋本選手のサポートのため、ロンドンへ向かっていた。

それなら仕方がないと、観戦を始めた管理人たち。

20分くらい経過した時だろうか…
城内さんが汗だくになって、観戦席にいる管理人たちのもとへ駆け寄ってきた。
「久美先生、今日は来られてないみたいです」

彼女はこの20分間、ずっと久美先生を探してくれていた…
そして次に、「いらっしゃらない」ということを伝えるために、広い試合会場で、管理人たちを探してくれていた…
彼女に対して、感謝の気持ちと申し訳ない気持ちで胸が潰れそうになった。

今でも、その時の彼女の姿を思い出すと胸が熱くなる。

管理人が彼女の立場だったとしても、おそらく同じことをしていたと思う。
ひとたび請け負ったことは、最後まで責任を持って全うする。
どんなに小さなことであっても…
どれだけの犠牲を払おうとも…
同じ価値観で生きている彼女が愛おしかった。

管理人は、彼女の現役時代を知らない。
けれどもきっと、ウエイトに対しても同じ姿勢で向き合っていたのではないだろうか。

重いバーベルを高々と持ち挙げることは素晴らしい。
そして挙げたバーベルを、少しだけ丁寧に降ろすことができたら、もっと素晴らしいと思う。
(バーベルを挙げたことのない人間が、そのように言うことを許していただきたい)

ロンドン五輪を控えた6年前に放映された「重力に逆らってまで~映画監督・西川美和が見た女子ウエイトリフティング~」。
城内さんたちの強さの中に秘められたその優しさを、西川監督の目は見抜いていたのかもしれない。

リフター魂33 重力に逆らってまで
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