春の全国高校選抜で男子62キロ級を制したのは、今年も1年生だった。
昨年の優勝者、生頼永人選手(明石北高校)は階級変更、2位の本田大智選手(加悦谷高校)はケガのため欠場という中での試合。
王座に輝いたのは、沖縄工業高校の宮本昌典選手である。

幼き日に、父親と同じレスリングを志した彼だったが、直に対戦相手と組み合うその競技は、彼の性格に馴染まなかった。
父は、レスリングを続けさせることを断念し、心優しいその息子を、旧知の間柄である沖縄工業高校の平良真理先生に委ねることにした。

直接対戦することがない、むしろ自分自身との戦いであるウエイトリフティング。
女性でもあり、シドニー五輪7位入賞の実績を持つ平良先生への憧れ。
それらが相まって、彼は楽しくウエイトと向き合った。

あどけない彼がプラットホームの上でバーベルを持ち挙げると、それだけで会場は沸いた。
小さなプリンスはウエイト王国の国民に愛され、成長していった。
そして昨年のインターハイで、1年生ながら6位入賞を果たし、今年の全国選抜ではチャンピオンの座についた。

試合翌日、欠場を余儀なくされた本田選手がポツリとつぶやいた。
「試合に出たかったな~」と。
「出てたら圧勝だったね」と言うと、「でも、(宮本選手の記録は)去年の僕らの上を行ってます」と彼。
リードしている現時点で語るのではなく、宮本選手と同学年だった一年前の自らの記録と比較し、その健闘を称える彼の潔さがさわやかだった。

姪が現役時代、当時中学生だった本田選手と一緒に合宿をしたことがある。
その時の様子を、彼女が話してくれた。
「遊びたい盛りの年頃の本田君が、誰よりもストイックに自分自身を追い込んでいた。周りに影響されない、すごい集中力で…。それでいて、いつも控えめだった」と。

昨年のインターハイの後、宮本選手は語っていた。
「本田選手は、中学校時代からの僕の目標。いつか追いつきたい。来年は競れたらいいな」と。

自分に厳しく、他者に優しい二人。
今夏のインターハイ、彼らはどの階級に挑んでくるのか。

長崎の夏が、いよいよ熱くなる。


DSC00621_convert_20130513223047.jpg
本田大智選手

img501b2a9474b61.jpg
宮本昌典選手

リフター魂48 戦い済んで…

リフター魂46 105キロ超級

comment iconコメント ( 0 )

コメントの投稿






trackback iconトラックバック ( 0 )

Trackback URL:

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)