前回、前々回と、ウエイトリフティング女子種目の国体導入に向けての記事を書いた。
今月、日本体協の国体委員会が開かれ、2016年岩手国体からの採用が正式に決定した。

「国体」というのは、アスリートにとって特別なものなのだろうか。
今回は、国体に熱い想いを寄せる最重量級リフター2人を取り上げる。


太田和臣選手

「国体は出ます!」
彼はきっぱりとそう言った。
+105キロ級を牽引する太田和臣選手。

9月にアジア大会。
11月にはリオ五輪の枠獲りがかかった世界選手権。
二つの国際大会に挟まれるように長崎国体は開催された。
ナショナルチームのメンバーには連戦である。

世界選手権に出場予定の選手が長崎国体の代表選考から外れている都道府県もあった中、太田選手はそのエントリーリストに名を連ねた。
冒頭の言葉から、国体に対する彼の強い想いが伝わってくる。

国体は、アスリートが自らのパフォーマンスを通して、日頃お世話になっている人々に恩返しができる貴重な場である。
彼はそのことを知っていた。
記録更新はかなわなかったものの、国体のプラットホームで日本新記録に挑み、大いに会場を沸かせた。

管理人がウエイト観戦を始めた当初のことである。
屋良先生と一緒に観戦していると、いろんな人が屋良先生に挨拶をして通り過ぎて行く。
中には、隣にいる管理人にも会釈をしてくれる人たちがいた。
太田選手もその一人である。
屋良先生の知り合いという理由で、管理人にも挨拶をしてくれたのだろう。
すなわちそれは、屋良先生に対する敬意の表れでもある。

日本一強い男の内に、英国紳士の礼節が受け継がれているのを見た。

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畏れ多くも、元リフターの姪が一緒に…
(長崎国体にて)


浅田浩伸選手

「来年も頑張ってください」
唇まで出かかったその言葉を飲み込んだ。

+105キロ級・浅田浩伸選手。
20歳以上も年齢差があるリフターたちと同じ国体の舞台に立ち、今年も入賞を果たした彼。
愛と祈りに満ちた眼差しで、プラットホーム上の彼を遠くから見守る久美先生の姿が眩しかった。

たった6本。
プラットホームの上でその6本を挙げるために、リフターたちが日々行っている地味で過酷なトレーニング。
その様子を見る機会が増えるにつれ、冒頭の言葉を容易に口にすることができない。

「来年も頑張ってください」ということは、「あの厳しいトレーニングを一年間続けてください」ということである。
彼にそれを言うことができるのは、そのトレーニングを経験してきた競技者(元競技者)だけではないだろうか。

もちろん競技者以外でも、その言葉で彼を激励する人たちはいる。
かつての管理人がそうであったように。
彼の試技を国体で観たい。
それはどこまでも透明で、純粋な思いである。

「体力、気力の限界」
その言葉を残して去って行った(スポーツ界に限らず)各界のプロフェッショナルたち。
それは、精魂尽き果てるまでやり切った男たちの言葉だった。

ウエイト界のレジェンドは、「心が折れるまでは…」「また来年も…」と長崎国体終了後に語っている。
そうであるなら…
あのときぐっと飲み込んだその言葉を、今ここで言うことを許してほしい。

心からの尊敬を込めて…
「来年も頑張ってください」

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畏れ多くも、姪がご夫妻の間に…
(東京国体にて)


‥☆‥∵‥∴‥∵‥☆‥∵‥∴‥∵‥☆‥


2014年の結びに…

四季の移ろいと共に、喜びも悲しみもそれぞれに想い出を残し、この年が行き過ぎようとしている。
まもなく出逢える新しい年。
来る2015年が希望の光を携えて、貴方のもとへ優しく訪れてくれるように…

by管理人

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